最初にスマホを買ったのはどんな人達?
【イノベーター理論】

shinomiyayuki

みなさんはじめまして!リニューアルした小僧ハウスのライターになりました、インフォバーン京都アルバイトのシノミーです。初回の記事ということで、まず簡単に自己紹介させていただきます。私は京都在住の大学生で、大学では「イノベーションマネジメント」、つまり革新的な製品・サービスをいかに生み出し、いかに育てていくべきかということを学んでいます。当ブログではそのような大学での学習テーマから、みなさんの仕事に役立ちそうな理論・フレームワーク等を紹介していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

イノベーター理論

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突然ですが、みなさんはスマートフォンをいつ頃からお使いですか?
僕は、3年ほど前のiPhone4Sが発売された時にスマホを使い始めたのですが、その時すでに周囲の約3分の1の人がスマホを使っていました。さて、なぜこのように人によってスマホを買うタイミングが変わってくるのでしょうか?一見当たり前のように思えるこの疑問ですが、実はスマホのような(少なくとも登場時には)革新的な製品を、いつ誰が買いはじめるかというのは、ある程度理論化されているのです。それがイノベーター理論です。

イノベーター理論とは、1962年にオハイオ州立大学(論文発表当時)のエベレット・M・ロジャース教授が提唱した、革新的な新製品の普及についての理論です。彼はこの理論の中で、ある新商品を購入する人々は、購入の早い順に「5つのクラスタ」に分類できると主張しました。
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【イノベーター】 人口比2.5%
まずはじめに新製品を買う人々。冒険的。技術思考が強く、目新しさ、革新性を求めて商品を買う。
【アーリーアダプター】 人口比13.5%
流行に敏感で、情報収集を自ら行い、判断する人々。自分にとってその商品が役に立つかを自ら考え、購入に踏み切る。周りに使っている人がいるかどうかは気にしない。
【アーリーマジョリティ】 人口比34.0%
新しい様式の採用に比較的慎重な人々。確かな実用性を重視するため、先行事例を気にする。
【レイトマジョリティ】 人口比34.0%
比較的懐疑的な人々。その製品を周囲の大多数が使用していて、持っていないと不便を感じるようになると商品の購買を決意する。
【ラガード】 人口比16.0%
保守的な人々。新商品が伝統・常識といえるレベルで定着して初めて商品を買う。もしくは永久に買わない。

スマートフォンにおけるイノベーター理論

では、先ほどのスマートフォンの例に戻って考えてみます。
【イノベーター】 人口比2.5%
スマートフォンが登場。まわりに使っている人がおらず、本当に便利か確証が持てないが、斬新で面白そうなので購入。
【アーリーアダプター】 人口比13.5%
聞くところによると、スマートフォンというものがギークの間ではやっているらしい。周りに持っている人はいないが、インターネットで情報を収集して自分なりに検討したところ、どうやらこれはうまく使えば役に立ちそうだ。購入を決意。
【アーリーマジョリティ】 人口比34.0%
周囲にポツポツスマートフォン使っている人が現れてくる。彼らに話を聞くと、どうやら結構便利らしい。周りの評判もいいし、確かに便利なのだろう。購入を決意。
【レイトマジョリティ】 人口比34.0%
気がつけば周囲の人は半分以上スマートフォンを持っている。望んでスマートフォンを買いたいわけではないが、持っていないと周囲との連絡がとりにくく、生活に支障をきたすようになってきた。購入を決意。
【ラガード】 人口比16.0%
周りの人はほぼスマートフォンを持っている。が新しいものを使う気にはならない。買わない。

とこのような感じになると思います。この理論に基づいて考えると、周囲の人の3分の1くらいがスマホを使いはじめたタイミングでiPhone4Sを買った僕は、アーリーマジョリティということになりますね。

もちろん厳密にはこのようにきれいに分かれるわけではなく、製品の特性によってクラスタの分布や性質も少しずつ異なってくると思います。しかしこの理論と現在の製品の普及率などを組み合わせて使えば、次に商品を買うのはどんな人達かをざっくりと推測することができると思います。なのでwebを利用したマーケティング戦略を考える際も、売りたい製品・サービスが今どの程度普及しているかということも少し考えてみるのも面白いかもしれませんね。

Photo by Thinkstock / Getty Images

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